microsolor’s blog

狭小住宅に補助金無しの2kWhの太陽電池を乗せた時のブログです

No.12 2021年の家庭用蓄電池について その3 マイクロソーラーと連携すると

つづき

マイクロソーラーとの連携を考えてみる
例えば2.2kWのマイクロソーラーが一日最大13KW近く発電し、10KWhは蓄電可能だとすると、無駄なく全て蓄電するためには、10KWh以上の蓄電池が必要となります。
ですが、使う分だけを蓄電できれば良いとすると、5KWhでも十分な気がします。
中野島マイクロソーラーの場合は年間の発電量予想が2233kWhとすると、

 2233÷365=6.11kWh/日

となり、一日平均の発電量予想は約6KWhです。

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発電中も冷蔵庫や待機電力なので、数KWhは自家消費しているので、5KWh蓄電できれば、ほぼZEH状態まで持って行けます。この考え方なら、今でも100万円以下の出費で、ぎりぎり蓄電池を設置できるかもしれません。 

 

蓄電池の寿命の影響
しかし毎日蓄電池の容量を100%使い切るような使い方をすると、蓄電池の寿命は一般的に短くなります。家庭用蓄電池の場合は、急速充電はしないので、テスラのパワーウォール2の場合は海外では無期限に容量を保証するとしています。また、たとえ保証期間内に容量が70%になったとしても、初期容量が13.5KWhであれば、ちょうど10KWhになるので、オーナーは不満に感じる事はないと思います。ホントにテスラの計算は緻密です。
テスラと同じ考え方であれば、7.5KWhの蓄電池を設置しておけば、安心と言う事になります。


温度の影響
半導体や化学反応を伴う製品の劣化は温度依存性が高い(アレニウスの法則)ので、小さい電池に毎回ぎりぎりまで電気を詰め込もうとすると、その分で電池の温度が上昇して、劣化が早く進み故障の確率も増えてきます。
同じ電気を溜め込むにも、電池の容量が大きいとその分蓄電池のケースの大きさも大きいので、熱の密度は下がり有利になります。
一般的な家庭の電気の使用量は一日10KWhと言われているので、温度の影響を考えると20KWh程度は欲しいくらいですが、太陽光発電システムを積んでいれば、日中の発電中は一般家庭用よりもだいぶ少なくなるので、蓄電池の容量は半分ぐらいの10KWh程度あれば十分だと思っています。

 

天気の影響
太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせると、全く電気を買わなくて済む(いわゆるマイクログリッド)に出来るかと言うとそうもいきません。日本の場合は二週間に一回は雨が降るし、梅雨時や秋雨時には何日も発電できない日があります。
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2021年の7月の発電状況ですが、7月15日が梅雨明けだったので、6kWhを下回る日が多いことが分かります。
蓄電池の容量が30~40KWh程度あれば、二週間はしのげるのでマイクログリッドが可能と言われていますが、そうなると設置金額は今なら400万円くらいになってしまうし、10年後でも100万円は超えてしまうと思います。

 

契約電力を落とす
ただマイクロソーラーの場合は、そもそもの発電量が少ないので、契約電力を落とすことはできそうです。3KW以下の太陽光の場合は契約電流を50Aから30Aまで落とせるので、基本料が減るので年間7200円の節約が可能となります。
(そんな回路構成が出来るのかは微妙ですが、これから調査してみます。)

 

なんちゃってSDGS
一つだけ蓄電池だけの設置でも有利な場合があって、昔の原子力発電所が動いていた時の深夜電力が格安な契約が残っている場合です。この場合、安い深夜電力 7.5円/KWhで蓄電池を充電し、昼間はそれを使えば、平均的な消費電力が300KWhとすると、

 300KWh✖7.5円=2250

となり、基本料と合わせても、蓄電池だけでも月々の電気代を4000円以下に抑える事ができます。
また、昼間はすべて蓄電池からの電力で賄えれば、実質的に太陽光で発電した分を全量売電(8.5円~26円/KWh)する事ができます。
残念ながらこんなお得な契約は今はできないし、そもそも今の深夜電力のほとんどが火力発電所で発電しているので、環境にやさしい訳でもありません。

 

まとめ
ここまでの検討結果をまとめると

  • 蓄電池の値段は、この数年凄い勢いで下がって来た。
  • 国産のリチウム鉄電池の新型電池の家庭用蓄電池は未だ出てきていない。(リフェ待ち)
  • 蓄電池の容量は太陽光パネルの容量に合わせるのではなく、電気の自家使用分に合わせるのが良さそう。
  • 10KWhで総額税込み70万円(蓄電池は50万円)程度になったらそろそろ買いどき
  • 補助金込みでも実質支払額が上記の条件になったら買いどき

となります。

マイクロソーラーと組み合わせるなら、天候を考えて無理せず10KWh程度の蓄電池で、太陽光発電で余ったら売って、電気の基本料を無料にするなんちゃってZEHのスタンスで良いと思います。

 今回は導入を見送りましたが、FIT制度の終了時の2030年代には上記条件を楽々クリアしていると思います。もし上記の条件を早期にクリアするようなら、中野島マイクロソーラーでも計画を早めて導入するかもしれません。
海外ではリチウムの増産が続いていて、不足不足と言われながらそんなに高騰しなかったので、意外と早く設置時期が来るかもしれません。

 

おしまい