はじめに
前回はマイクロソーラー単体での投資回収の視点でしが、実際の電力料金プランと今年のFITの買取制度でどのようになるかを計算してみます。ちなみに今年の買取価格は19円/kWhです。
実はこの数字
ちょっとした意味があるんです。大体ですが、電力会社から電気を買う場合は、26円/kWhです。一方2018年は26円/kWhで買い取ってくれましたが、2021年度の買取価格は19円/kWhになって、お得度がずいぶん減っています。
買取金額だけ見れば、太陽光発電システムの導入は早ければ早い程お得だったと言えますが、その分昔はパネルの費用は高かったので、トータルとしては何とも言えません。
東京電力エナジーパートナーの場合
現在の料金体系で説明します。一般家庭なら契約容量は恐らく50Aです。この場合電力料金表を見ると120kWhまでが、1kWh当たり19.88円になっています。
ここでも買取価格の19円に対して購入価格が120kWhまでなら19.88円となりついに購入価格が下回ってしまいました。つまり普通の契約なら120KWhをあまり超えないように生活する必要があります。
50A契約で、消費量が120kWhだった場合の電気代は、
基本料 286円✖5=1,430円
電気代 19.88円✖120kWh=2,385円
小 計 3,815円
実際にはこれに、再エネ賦課金と消費税が入って月額4,000円と言った所で、年間48,000円となります。
一般家庭の電気代
9、000円/月と言われているので、年間は108、000円になります。つまりFIT制度で売ることができなければ、この差額の60、000円がお得分になります。
太陽光発電システムの価格が100万円だった場合の投資回収には、約16.7年かかることになります。
これをゼロにするには、毎月約200kWh以上売電する必要が有りますが、狭小住宅ではちょっと難しいかもしれません。
ちなみに
月9000円 の電気代と言うと、
9000円-4000円=5000円
再エネ賦課金と消費税を抜くと、約4500円が120kWhをこえ300kWhまでが、第2段階料金の26.48円が適用されるので
4500/26.48=170KWh
となります。つまり、この場合の一般家庭の消費量の合計は290kWh/月になります。別の計算だと、一般家庭の月間平均消費量は278kWhとなっていので、この計算でそんなに間違っていないはずです。
実は一般家庭の電気代と言っても、オール電化住宅から、都市ガス、LPガスや地方でも違うので、自分の家の一年分の電気代を合計した時に10万円くらいか、月平均が8,000円〜9,000円くらいなら、上記の計算が成り立ちます。
もしも蓄電池があったなら
発電した電気を全て消費に回せて、月々の支払いが基本料のみになれば、
1430✖1.1✖12=年間18,876円 となります。
差額は
108,000ー18,876=89,124円
となり、約11年で回収できることになります。
もしも3KWの太陽光システムがあったなら
月間200KWh売電することができれば、電気代はほぼかからない事になるので、約9年で 回収できることになります。なんとか省エネを頑張れば可能な数値です。
太陽光パネルは30年以上、パワーコンディショナーは15年は持つと言われているので、差分の6年分の電気代65万円くらいがリターンとなります。これをちゃんと貯金しておけばパワーコンディショナの交換につかえると思います。つまり、ここから先は電気代はただになります。3KW積めれば、FIT制度は2021年でも有効です。
どこまで下がる売電価格
FIT制度の住宅用の売電価格は普及促進のために、20円/KWhで止まると思っていたんですが今年は2円下がって19円/KWhになり、電気を買うより売る方が安くなってしまいました。
もし買取価格が、今年のように年に2円づつ減って行くペースなら5年後にFIT制度が廃止されても不思議ではありません。
来年も買取価格が19円/KWhで止まってくれたら、マイクロソーラーの導入を来年考えても良いのですが、売電価格はなんとなく一年で1円づつ、8円/KWhくらいまで下がると予想しています。現在のFIT制度ではない一般の買取価格(いわゆる卒FIT)は8.5円/KWhです。
おわりに
売るより買った方が安いとなると、心情的にはお得感がなくなって、今年の住宅用の太陽光発電システムの導入は激減するのでは無いかと思います。しかし、当面使う予定が無い100万円が手元にあり、屋根があるなら、太陽光発電システム単体で購入するには2021年がお得に感じる最後の年じゃないかと思います。
儲かりはしないが、電気代が出ていかないのを目指すのが、狭小住宅のマイクロソーラーではないかと思います。
次回は他のリフォームと組み合わせて、さらにお得になるかを検証して行きます。
つづく