つづき
金額的には?
金額から考えると、国産の蓄電池の価格が下がって、1KW/h当たり3万円程度(つまり現在の国際価格)になって、10KWhで30万円程度になったら買いサイン点灯です。
計算式
(蓄電池30+コントローラ16+設置10)✖利益1.1✖消費税1.1=67万円(税込)
今後5年以内には、十分100万円以下になると思います。FIT制度が終了する10年後の2030年頃には70万円を切っていると思います。
当然今回は見送りです。
なんで蓄電池価格が下がるのか?
日本勢がリチウムイオン全個体電池の開発にかかりきりになっている間に、海外では2016年頃に蓄電池に関するブレークスルーがありました。
LiFePo4(リン酸鉄リチウム:通称リフェ)電池の量産が開始されました。この電池はリチウムイオン電池と同じくリチウムを使う電池ですが、とても安全で、釘を刺しても発火せず、製法が簡単で充電制御も簡単です。
素材自体のエネルギー密度は今までのリチウムイオン電池に比べると多少低いのですが、安全性が高いため、従来型のリチウムイオン電池のような強固な保護構造が不要で、セルを大型化できるので、バッテリーモジュールとして製品化するとリチウムイオン電池に近い重量密度となっています。また電圧は3.2Vとリチウムイオン電池の3.7Vに比べて0.5V低いのですが、安価な電極材料を使用していて低コストです。
アマゾンで LiFePo4で検索すると、PSE認証された家庭用のポータブル電源 や
キャンピングカー用の蓄電池は、
今やほとんどがLiFePo4蓄電池に置き換わっていて、製品としては1KWhで6万円を切っており(つまりテスラ並み)、電池セル単体では1KWh当たり3万円で誰でも購入できる状態になっています。
例えば現在最高容量の3.2V 310A のセルですが、
これを16個使用すると、15.8KWhの蓄電池容量になります。価格は2021年7月で348,000円となっていて、1KWhあたりは2.2万円まで下がっています。なお重量は72Kgになります。テスラのパワーウォール2の120Kgよりもずいぶん軽くなっています。
当然今回は見送りです。
リフェ待ち
価格だけでなくLiFePo4蓄電池は、当初は急速充電ができず、放電電流も低く、充放電サイクルも短かったのですが、今はすべて克服してすごい性能の電池になっています。
太陽光で充電するなら、1C充電(つまり1時間充電)なんてことはなく、せいぜい0.2C程度(5~6時間で充電)、放電は標準品でも短時間なら3Cまで可能なので、30A程度は普通に取り出せます。
家庭用蓄電池として使えば、充放電サイクルは8、000サイクル(21年)の設計寿命(残容量が70%になるまで)とされています。ほんとにそこまで持つかは誰もまだ使ったことがないので判りませんが、15年は持つと言われています。
大手メーカでなくても10KWhで50万円以下の家庭用蓄電池を作ることが、簡単にできる状況にあります。
個人でも完全独立系ならこの蓄電池があれば安価に構築可能です。
参考:
住宅に設置して使うには、電力会社と連係したり、いろいろな規制があり川崎マイクロ―ソーラにはちょっと難しいです。
家庭用の蓄電池として製品化するには、日本では試験や認証等があるので、発売されるまでにはもう少し時間が必要になると思います。安全性やサポートを考えると、蓄電池のセルは中国製でも日本メーカの保証がついた製品を購入したいと思っています。
当然今回は見送りです。
つづく
次回はマイクロソーラーと蓄電池が連携した場合の経済性について考えてみます。